最終更新日: 2018-01-15

インターネットの世界は、急速に拡大しておりECの分野・領域としても日々多様な業種・業態が産まれさらに拡大しつつあります。

大手・中小企業だけではなく個人でも簡単にネットショップを作り販売機会が設けられるインターネットの世界において、今回はネットショップオーナーであれば誰しもが気になるEC市場の動向について経済産業省が出した資料を元にまとめました。

まずこの話を進めるに当たって、皆さん、ECやEC化率という言葉を知っていますか?
ECとは・・・「Electronic Commerce」の略で「電子商取引」の事を指しており、E-コマースともよく呼ばれております。

一般的には、インターネットやコンピュータなど電子的な通信手段を介して行う商取引のことであり、「ECサイト」というとネットショップ上で商品を売買するWEBサイトのことを指しております。
それでは、ネットショップのオーナーであれば一度は耳にしたことがあると思いますが、「EC化率」とはなんでしょう??
EC化率とは・・・全ての商取引金額(商取引市場規模)に対して、電子商取引市場規模が占める割合を指します。

消費者向け電子商取引(以下「BtoC-EC」)市場規模

先日(平成28年6月16日)、経済産業省の調べより平成26 年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は13.8兆円まで拡大しており、前年比7.6%増という報告がだされ、EC市場は急速に伸び続けていることがデータでも示されました。
また、全ての商取引金額のうち電子商取引が占める割合をさすEC化率に関しても、BtoC-EC で「4.75%」という前年比と比較しても増加傾向にあるようです。

商材別、分野毎の市場規模について

分野毎の市場規模においてはやはり流通額・割合的には、「物販系分野」が一番高い推移を保っておりますが、市場の伸び率に関してはどうでしょう。

昨年、「デジタル系分野」が伸びていたのに対し、今年はサービス系の分野が一番伸びており以下表中の3つの分野においては、「サービス系分野」が9.4%というもっとも高い伸び率を示しております。
「物販系分野」と比較し、デジタル系分野は市場規模が少ないイメージではありますが、スマートフォン分野の普及により雑誌や漫画本の電子書籍化など、情報商材系の普及が高まった一年だったのではないかと思います。
また、IoTが進む中で、今後ますます新たなジャンルの領域が増えると共に、デジタル分野の領域も広がりを見せるのではないかと思います。

※IoT とは・・・Internet of Things(モノのインターネット)全ての「モノ」がインターネットにつながることで、これまでの生活やビジネスが根底から変わることをさしています。

さて、今回経済産業省の調査より国内のEC市場の動向を見てきましたが、海外はどうでしょう。
2015年、グロバール市場においてオンライン決済取扱高は『約209兆円』といわれておりましたが来る2019年には『264兆円』まで継続的に拡大すると予測されております。日本国内のECの市場規模に加え、越境ECの消費者向け市場も発展し続けている今、今回経済産業省が出した越境EC市場の実態調査結果では以下の事が述べられておりました。

日米中の3か国相互間の越境電子商取引(以下「越境EC」)の動向

2015 年において、日本の消費者による米国及び中国事業者からの越境 ECによる購入額は 2.2 千億円(前年比 6.9%増)、米国の消費者による日本及び中国事業者からの越境 EC による購入額は 9 千億円(前年比 11.1%増)、中国の消費者による日本及び米国事業者からの越境ECによる購入額は1.6兆円(前年比32.7%増)とのことで、日米中3か国相互間の消費者向け越境EC市場の中では、中国の消費者による購入額が最大の規模となった事が示されました。


また、2019 年までの越境 EC 市場規模の試算においては、消費国としての推計市場規模は、2015 年から 2019 年までの間に日本は約 1.5 倍、米国は約 1.6 倍、中国は約 2.9 倍の規模となり、日米中3か国間における越境 EC による購入総額合計は、2019 年までに約 6.6 兆円にまで拡大するという見通しも同時に示される結果となりました。
今回、経済産業省のデータをまとめてみましたが、ショップオーナー様には、数値化されたデータより今後のEC市場を確認すると共に、今後どのようにお客様にサービスを提供していくべきなのか考えるきっかけとしていただければ幸いです。

▼参照資料
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模は13.8兆円に成長~(PDF形式:235KB)PDFファイル
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160614001/20160614001.pdf
調査結果要旨(PDF形式:521KB)
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160614001/20160614001-1.pdf