最終更新日: 2019-08-23

はじめに

今回は、「みんなのお焚き上げ」を運営している、株式会社クラウドテン代表の山盛様にお話をお聞きしました。

ご自身のお父様が亡くなったことをきっかけに、実家を手放すことになった山盛様。
残された荷物を整理する中で、不要と判断したものでもゴミと一緒には捨てられないと悩んだ経験から、「きちんと手放す」ことの重要性を実感したとのこと。
日本人は古来より、万物に魂が宿る思想が強く、愛着があるものをなかなか手放すことができない傾向があるそうです。
そこで、ものにきちんと感謝して天に返す儀式「お焚き上げ」をもっと身近なサービスにできないかと考えて生まれたのが「みんなのお焚き上げ」です。

サービスをはじめたきっかけを教えてください

自分の父親が亡くなったことがきっかけで、実家を手放すことになりました。
はじめから予想はしていましたが、実家にあるものの量は膨大で、特に亡くなった父のものはどれを捨てて良いのか判断がつきませんでした。さらに不要と分かっていてもゴミと一緒に捨てるのは忍びないものの処分に悩みました。
最近は“終活”ブームで、家族に遺品整理の負担をかけないよう、不必要なものは手放す生前整理に取り組む人が増えています。
しかし、もう必要ないとわかっているものでも、捨ててしまうのは抵抗があるという方が結構いらっしゃるようです。
例えば、小さな頃から持っているぬいぐるみや、家族写真、人からもらった年賀状などは思いが込められているような気がして捨てにくいですよね。
そこで、ものにきちんと感謝をして手放す“お焚き上げ”に着目をしました。
実はお焚き上げは、1300年も前から執り行われてきた日本人と非常に馴染みの深い文化です。
捨ててしまうのは気が咎めるようなものをきちんと供養することで、気持ちが前向きになり今後の人生に良い作用がもたらされるのではないかと思いこのサービスを始めました。

サイトがとても可愛らしくて素敵ですね。こちらはどういったコンセプトで制作されたのでしょうか。

ありがとうございます。
まず、お焚き上げという言葉は聞いたことがあってもなかなかどのようなものなのか知っている方は少ないと思いました。そして、人形供養や遺品供養などに固定化されたイメージを持たれる方も多いのではないかと思い、もっと身近で普段使いできるものとして認知してもらいたいと考えました。
実際お焚き上げは、遺品に限らず心理的に「ちょっと捨てにくいな」というものに感謝して手放すというとてもポジティブな行為なので、そこの部分をきちんと伝えたいなと。
そして、お焚き上げが特別な行為ではなく、もっと日常的に行うものに変わって欲しいという願いがこのサイトデザインに込められています。

実際にサイトデザインはどのようにして作られたのでしょうか?

ファーストビューの部分は徹底的にこだわりたいと思ったので、コンサルの方に入っていただき、メインターゲットである30〜60代の女性が親しみを感じられるようにピンクを基調としたやわらかい雰囲気のサイトに仕上げました。
デザインを外注する前に、RFP(提案依頼書)を何度も作ってコンセプトと目的を明確にしたので、制作担当の方にイメージがきちんと伝わりました。
伝えたい想いをデザインに反映させていく作業はなかなか大変なことですが、ファーストビューのサイトデザインはネットショップの顔なので妥協しない方が良いと思いました。
今回の制作で、RFP(提案依頼書)を50回くらい書き直した記憶があります・・・(笑)

コラムなどのコンテンツも、お焚き上げに対して安心感や親近感を持っていただけるよう、使う言葉に気を配って何度も考えて書きました。

「日常的なお焚き上げ」は、昨今流行している「断捨離」や「終活」と関連性がありそうですね。

そうですね。まだ世間的な知名度が低いというだけで、お焚き上げの潜在的なニーズは大きいと思っています。弊社が実施した「お焚き上げ供養したいモノはありますか?」というアンケートでは98.6%の人があると回答していました。
しかし、実際にお焚き上げをしたことがある人はまだまだ少なく、お焚き上げをやってみたいけれど、どうしたら良いかわからないというのが多くの人の意見だと思います。

そこで、みんなのお焚き上げはものを詰めて送るだけというシンプルでわかりやすい仕組みしくみにして、キットの中には手順書を同封しています。
お客様は、この手順書を見て作業をしたら良いので、誰でも簡単にお焚き上げをしていただけます。
まあ、作業と言ってもモノを詰めて贈るだけですが・・・(笑)
キットにすることで、お客様の利便性がぐっと上がりましたし、デザインも可愛らしいので色々な方に気軽に試していただきたいと思っています。

まとめ

捨てにくいものと向き合い、自分が納得できる方法で手放すことはヒーリング効果も期待できると言われています。
生活にもっとお焚き上げが広まることで、前向きな気持ちになれる人が増えたら良いなと思います。
みんなのお焚き上げは箱や封筒にものを入れて送付するだけで、誰でも簡単にお焚き上げができるので、衣替えや大掃除のタイミングなどでぜひお気軽に試してみてください!

「みんなのお焚き上げ」https://www.otakiage.com/